解説の言語
解説は日本語。文法用語は英語のまま出します。 本番は「英語」★です。
Rhetorical Synthesis.
選択肢はどれも、ノートから正しく作られた本当の文です。だから内容の正誤では決まりません。決めるのは、設問が指定した目的にその文が応えているかどうか、ただ一点です。
この分野でいちばん大事なこと
この分野の誤答は、どれもノートから正しく作られた本当の文です。落ちる理由は内容が間違っているからではなく、指定された目的に応えていないからです。だから、先に目的を読み、その文に何が入っていなければならないかを書き出してから、選択肢を見ます。
指定されたことが文の主張そのものになっているか。ただ触れているだけの文は落ちます。ノートの中で、その主張をいちばん強く支える具体的な事実を使っているかも見ます。
結果だけでなく、原因やしくみが文の中にあるか。「〜である」で終わる文ではなく、「〜だから〜できる」の形になっているかを見ます。
指定された要素が全部入っているか。そして、聞かれていない情報がそれを押しのけていないか。多ければいいのではありません。
その言葉を知らない人が、この一文だけで意味をつかめるか。定義が文の中にあるかどうかで決まります。
日本人がハマる理由
日本の国語の記述では、与えられた材料をできるだけ取り込んで、過不足なくまとめた答案が評価されます。その感覚のまま読むと、ノートを多く使っている選択肢がいちばん良く見えます。この分野では逆で、目的に関係のない情報が入っているほど、その文は目的から遠ざかります。英語の読解力ではなく、採点基準が違う、という話です。
問題文と選択肢は、どの段階でも英語のままです。本番がそうだからです。
Rhetorical Synthesis(目的に合わせて書く)で扱うルール、10項目
帰国子女・インターナショナルスクール生のための、デジタルSAT の無料教材です。Rhetorical Synthesis の練習10問で出てくるルールを一覧にしました。解き終わったあとの復習や、 試験前の読み返しに。独学でも進められるように、ルールごとに確認のしかたをつけています。 8項目には「日本人がハマる理由」をつけています。日本語の文法や語順のどこが原因で、その誤答が自然に見えてしまうのかを説明します。
この分野ぜんたいに共通する、日本人がハマる理由
日本の国語の記述では、与えられた材料をできるだけ取り込んで、過不足なくまとめた答案が評価されます。その感覚のまま読むと、ノートを多く使っている選択肢がいちばん良く見えます。この分野では逆で、目的に関係のない情報が入っているほど、その文は目的から遠ざかります。英語の読解力ではなく、採点基準が違う、という話です。
- 01強調する
goal(設問の目的)が「強調する」と指示しているときは、指定された対象が文の main assertion(中心的な主張)になっていて、しかもそれが特別だと言える理由を notes(ノート)の中で最も具体的な事実で裏づけている選択肢だけが正解になります。対象に触れているだけの文や、内容は正確でも別のことを中心に据えた文は、この条件を満たしません。
確認のしかた:選択肢を読む前に goal(設問の目的)だけを見て、強調するよう指示された対象と、それが特別だと言える理由を最も具体的に示している notes(ノート)の事実の二つを書き出し、その両方が入っている選択肢だけを残してください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
While researching a topic, a student has taken the following notes:
- Wangari Maathai was a Kenyan environmental and political activist.
- In 1977, she founded the Green Belt Movement, which has planted tens of millions of trees across Kenya.
- In 2004, Maathai was awarded the Nobel Peace Prize.
- She was the first African woman to receive a Nobel Prize.
The student wants to emphasize the historic nature of Maathai’s 2004 award.
A Wangari Maathai, a Kenyan activist, founded the Green Belt Movement in 1977.
Green Belt Movement を1977年に設立したことも、ケニアの活動家であることも notes(ノート)に書かれているとおりで、文の内容は正確です。ただし2004年の受賞に触れていないため、強調すべき対象そのものが文に入っておらず、goal(設問の目的)を達成できません。
B The Green Belt Movement, founded in 1977, has planted tens of millions of trees across Kenya.
notes(ノート)の中でもかなり具体的な「植えた木の本数」を使った、内容の正確な文です。ただし文の subject(主語)は the Green Belt Movement で、Maathai の受賞には一言も触れていません。強調の対象が受賞から団体の実績にすり替わっているため、goal(設問の目的)を達成できません。
C Wangari Maathai, founder of the Green Belt Movement, received the Nobel Peace Prize in 2004.
2004年に Nobel Peace Prize を受賞したことも、Green Belt Movement の創設者であることも notes(ノート)のとおりで、文の内容は正確です。ただし、この受賞が歴史的だったのはアフリカ人女性として初めての Nobel 賞受賞だったからで、その事実が文に入っていません。goal(設問の目的)は受賞が歴史的である点を前面に出すよう求めているので、受賞に触れているだけでは足りません。
D(正解) In 2004, Kenyan activist Wangari Maathai became the first African woman to receive a Nobel Prize when she was awarded the Nobel Peace Prize.
文の main assertion(中心的な主張)が「became the first African woman to receive a Nobel Prize」で、2004年という年と Nobel Peace Prize という賞名もそろっています。受賞が歴史的だった理由を notes(ノート)の中で最も具体的な事実で直接裏づけているので、goal(設問の目的)を満たすのはこの選択肢だけです。
日本人がハマる理由
日本の国語や小論文では、同じ語をくり返さないこと、一文を短くまとめることが「よく書けた文」の条件として教わります。正解の D は Nobel を二度出す最も長い文で、この基準で見ると C のほうが整って見えます。SAT が判定しているのは文章の巧拙ではなく goal(設問の目的)を達成しているかどうかなので、書き方の好みで選ぶとこの設問では点を落とします。
- 02強調する
二つのものの関係を強調するよう求める goal(設問の目的)では、似ている点なのか違う点なのか、指定された通りの関係そのものを文の主張にし、二つとも一文に入れ、その関係を最も具体的に裏づける事実を notes(メモ)から使う必要があります。片方しか出てこない文や、指定とは反対の種類の関係を述べた文は、内容が正確でも正解にはなりません。
確認のしかた:選択肢を読む前に goal(設問の目的)を読み、似ている点と違う点のどちらを求められているのか、そしてその関係で結ぶべき二つの対象は何かを書き出してから選択肢に進み、その二つを一文に収めて指定された側の関係そのものを述べている選択肢だけを選んでください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
While researching a topic, a student has taken the following notes:
- Hawaiian and Māori are both Polynesian languages.
- The modern Hawaiian alphabet has 13 letters.
- The Māori alphabet has 15 letters.
- The Hawaiian word for “house” is hale.
- The Māori word for “house” is whare.
The student wants to emphasize a similarity between Hawaiian and Māori.
A The Hawaiian alphabet has 13 letters, while the Māori alphabet has 15.
notes(メモ)の通りで、内容は正確です。ただし while で 13 文字と 15 文字を並べたこの文が主張しているのは、二つの言語の違いです。goal(設問の目的)が強調せよと指定したのは similarity(類似点)であり、contrast(対比)を述べたこの文では条件を満たしません。
B(正解) Hawaiian and Māori, both Polynesian languages, have similar words for “house”: hale and whare, respectively.
正解です。二つの言語を一文に収め、どちらも Polynesian language であること、さらに “house” にあたる語が hale と whare でよく似ていることを述べています。これは notes(メモ)の中で最も具体的な共通点であり、goal(設問の目的)が指定した similarity(類似点)がそのまま文の主張になっています。
C In Māori, the word for “house” is whare.
notes(メモ)にある通りで、正確な文です。しかし述べているのは Māori だけで、比べる相手である Hawaiian が文に出てきません。共通点は二つが一文にそろって初めて示せます。
D Hawaiian is a Polynesian language with a 13-letter alphabet.
これも notes(メモ)に忠実で、正確です。しかし Polynesian language であることも、アルファベットが 13 文字であることも Hawaiian についての記述にとどまり、Māori も同じ語族であることは読み手に伝わりません。片方だけを説明した文では、共通点を強調したことになりません。
日本人がハマる理由
日本の国語では対比が説明文の型として繰り返し教えられ、さらに「比較する」という日本語は似ている点と違う点の両方を指します。そのため A のように 13 と 15 を左右に並べた文が、最も「比べた文」らしく見えて選ばれます。しかし goal(設問の目的)は similarity(類似点)と書いて似ている点だけを指定しており、違いを述べた文はここでは外れます。
- 03強調する
goal(設問の目的)が emphasize(強調する)を求めているときは、指定されたものを文の主張そのものに据え、メモの中でそれを支える最も具体的な事実を使っている選択肢が正解になります。指定されたものが二つの対象の関係であるときは、両方の対象と、その関係を成り立たせる事実が、同じ一文の中に入っていなければなりません。
確認のしかた:選択肢を見る前に goal(設問の目的)だけを読み、「二人の名前が両方出ていること」「その二人の違いそのものを述べていること」という二つの条件を書き出してから、選択肢を一つずつ照らし合わせてください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
While researching a topic, a student has taken the following notes:
- Mary Cassatt (1844–1926) and Berthe Morisot (1841–1895) were Impressionist painters.
- Cassatt was born in the United States and spent most of her career in France.
- Morisot was born in France.
- Both artists frequently depicted women and children in domestic settings.
The student wants to emphasize a difference between Cassatt and Morisot.
A Both Cassatt and Morisot frequently depicted women and children in domestic settings.
メモの最後の一文をそのまま使った文で、内容は正確ですし、二人の名前も両方出ています。ただしここで述べられているのは二人の共通点であって、違いではありません。goal(設問の目的)が求めたのは違いを強調する文なので、事実として正しくても条件を満たしません。
B Mary Cassatt, an American-born painter, spent most of her career in France.
Cassatt が American-born であることも、キャリアの大半をフランスで過ごしたことも、メモに書かれている事実です。ただしこの文に出てくるのは Cassatt だけで、Morisot は出てきません。比べる相手がいない一文では、二人の違いを示せません。
C(正解) Although both were Impressionist painters, Mary Cassatt was born in the United States, while Berthe Morisot was born in France.
正解です。"Although both were Impressionist painters" と共通点を先に置いたうえで、文の主張を二人の出身地の違いに移す contrast(対比)の形になっています。二人の名前が両方出ていて、違いそのものが文の中心にあるため、goal(設問の目的)の条件を満たします。
D Berthe Morisot, a French Impressionist, lived from 1841 to 1895.
Morisot が French Impressionist であることも、1841年から1895年という生没年も、メモに書かれている事実です。ただしこの文が伝えているのは Morisot 一人の情報で、Cassatt が出てこないため比較が成り立ちません。違いを強調するという条件を満たしません。
日本人がハマる理由
日本の国語で習う要約は、与えられた材料に共通する要素をまとめた一文を良い答えとして扱います。その基準のまま選ぶと、二人に共通する題材を一文にまとめた A が最もよくできた要約に見えます。ここで問われているのは要約の出来ではなく、goal(設問の目的)が指定した「違い」が文に出ているかどうかだけです。
- 04理由や仕組みを説明する
理由や仕組みを説明するよう求めるゴールは、ノートの事実を並べただけの文や、鍵になる事実を単独で置いただけの文では達成できません。原因と結果を一文の中でつなぎ、causal relationship(因果関係)をはっきり示した選択肢だけが正解です。
確認のしかた:選択肢を読む前に、ゴールを「XなのはYだからだ」という一文に書き直し、Yに入る原因をノートから選んで書き出したうえで、そのXとYが一文の中でつながっている選択肢だけを残してください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
While researching a topic, a student has taken the following notes:
- The Hubble Space Telescope launched in 1990.
- Hubble observes mainly in visible and ultraviolet light.
- The James Webb Space Telescope launched in 2021.
- Webb observes mainly in infrared light.
- Infrared light can pass through clouds of dust that block visible light.
The student wants to explain why Webb can observe some objects that Hubble cannot.
A Hubble, launched in 1990, observes mainly in visible and ultraviolet light, while Webb, launched in 2021, observes mainly in infrared light.
ノートの記述どおりで、二つの望遠鏡が観測する光の違いも打ち上げ年も正確です。ただし違いを並べているだけで、その違いからなぜ観測できる対象の差が生まれるのかは書かれていません。ゴールは理由を求めているので、対比を示すだけでは足りません。
B(正解) Because Webb observes mainly in infrared light, which passes through dust clouds that block visible light, it can detect objects hidden from Hubble, which observes mainly in visible and ultraviolet light.
正解です。infrared light が visible light を遮る dust を通り抜けるという性質を原因として挙げ、"Because" でそれを「Webb には見えて Hubble には見えない」という結果に直接つないでいます。原因と結果が一文の中でそろっており、ゴールが求めているのはこの形です。
C Webb, which launched in 2021, is a more recent telescope than Hubble, which launched in 1990.
打ち上げ年はノートに書かれた事実で、Webb のほうが新しいという説明も正確です。ただし新しいことは、何を観測できるかの原因にはなりません。ゴールが求めている原因に触れていない、その一点で不正解です。
D Infrared light can pass through clouds of dust that block visible light.
ノートの中で最も鍵になる事実を、そのまま正確に引いています。ただし Hubble にも Webb にも触れていないため、この事実がどちらの望遠鏡の何を説明しているのかが分かりません。ゴールは二つの望遠鏡の差がなぜ生まれるのかを求めているので、原因だけを置いても説明にはなりません。
- 05指定された要素を過不足なく出す
設問が入れるべき要素を名指ししているときは、その要素がすべて入っている選択肢だけが正解になります。一部の要素しか出していないものや、足りない要素の代わりに正確な背景や手順を入れているものは、書かれている内容が正しくても目的を果たしていません。
確認のしかた:選択肢を見る前に、設問が名指しした要素("the study’s results" と "the researchers’ conclusion")を書き出し、その両方がそろっている選択肢だけを残してください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
While researching a topic, a student has taken the following notes:
- Researchers studied whether a common pesticide affects honeybees’ ability to navigate.
- They released exposed and unexposed bees 1 kilometer from their hives.
- 84% of the unexposed bees returned to their hives.
- 52% of the exposed bees returned to their hives.
- The researchers concluded that the pesticide impairs bees’ navigation.
The student wants to present the study’s results and the researchers’ conclusion.
A To study a common pesticide, researchers released honeybees 1 kilometer from their hives.
1キロ離して放したという手順はノートの通りで、書かれていること自体は正確です。ただしここにあるのは調べ方だけで、数値の結果も研究者の結論も入っていません。設問が名指しした2つの要素がどちらも出ていないため、目的を果たしていません。
B In the study, 84% of the unexposed honeybees successfully returned to their hives.
84%という数字はノートの通りで、誤りはありません。ただし出ているのは農薬にさらしていないハチの数値だけで、比較の相手になる「さらしたハチの52%」が抜けており、研究者の結論も入っていません。設問は結果と結論の両方を求めているので、片側の数値だけでは足りません。
C(正解) When released 1 kilometer from their hives, only 52% of pesticide-exposed honeybees returned, compared with 84% of unexposed bees, leading researchers to conclude that the pesticide impairs navigation.
52%と84%という両方の帰還率、つまり研究の結果と、そこから研究者が導いた結論が、1文に両方入っています。1キロという条件も添えてありますが、指定された2要素を押しのけてはいません。設問が名指しした要素がそろっているのは、この選択肢だけです。
D Researchers concluded that a common pesticide impairs honeybees’ ability to navigate.
ノートの最終行と同じで、研究者の結論そのものです。内容に誤りはありません。ただし入っているのは結論だけで、その根拠になる数値の結果がありません。設問が求めた2つの要素のうち片方が欠けているため、結論として正しくても目的を外しています。
日本人がハマる理由
国語の読解では、筆者の主張や結論を取り出したものが答えとして扱われる場面が多く、結論だけを述べたDが「まとめとして一番きれいな1文」に見えます。ここでは設問が結果と結論の両方を名指ししているので、結論だけでは足りません。
- 06知らない人に紹介する
「知らない人に紹介する」goal(目標)では、その語が何の一種なのか、何が特徴なのかを文の中で示している選択肢だけが正解です。具体例や年号、その後の出来事を挙げる選択肢は、内容が正しくても、読み手がその語をすでに知っていることを前提にしているため、goal を満たしません。
確認のしかた:goal(目標)を先に読み、「その語は何の一種か」「何が特徴か」の二点を書き出してから、選択肢を見比べてください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
While researching a topic, a student has taken the following notes:
- Brutalism is an architectural style that emerged in the 1950s.
- Brutalist buildings typically feature exposed, unfinished concrete.
- London’s Barbican Estate, built between 1965 and 1976, is a well-known example of Brutalism.
- In 2001, the Barbican Estate was given Grade II listed status, protecting it from demolition or major alteration.
The student wants to introduce Brutalism to an audience unfamiliar with the style.
A London’s Barbican Estate is a well-known example of Brutalism.
メモの内容をそのまま使った、事実として正しい文です。ただし述べているのは Brutalism の例であって、Brutalism 自体が何なのかには一言も触れていません。読み手がこの様式をすでに知っていることが前提になるため、「知らない人に紹介する」という goal(目標)には届きません。
B In 2001, London’s Barbican Estate was given Grade II listed status.
これもメモに書かれている通りの正しい文です。ただし述べているのは建物一棟の法的な保護の話で、Brutalism がどんな様式なのかには触れていません。年号と制度名が入っているぶん情報量は多く見えますが、初めて聞く読み手の手元には、様式の説明が何も残りません。
C(正解) Brutalism, an architectural style that emerged in the 1950s, is characterized by exposed, unfinished concrete.
正解です。Brutalism を "an architectural style that emerged in the 1950s" と appositive(同格)で言い換え、そのうえで "exposed, unfinished concrete" という特徴を挙げています。語を使うのと同時に定義しているので、この様式を初めて聞く読み手でも、この一文だけで何の話か分かります。
D Built between 1965 and 1976, the Barbican Estate was later protected from demolition.
メモにある建設年と保護の事実を正しくまとめた文です。ただし Brutalism という語自体が出てこず、様式の説明もありません。紹介すべき対象が文の中にないため、この goal(目標)は満たせません。
日本人がハマる理由
goal(目標)の中心は "introduce Brutalism" ですが、条件を決めているのは後ろに付いた "to an audience unfamiliar with the style" です。日本語は名詞を説明する語句を必ず名詞の前に置くため、名詞の後ろから説明を足す postmodification(後置修飾)は補足のように感じられ、読み飛ばしても文意は取れたつもりになります。その結果、頭に残るのは「Brutalism を紹介する」だけになり、Brutalism という語が入っていて紹介文らしい A を選んでしまいます。
- 07強調する
goal に emphasize と書かれている強調する型では、名指しされた点を文の主張そのものに据え、メモの中でその点を最も具体的に裏づけている事実を使っている選択肢だけが正解になります。残りの選択肢はメモ通りの正しい文ですが、名指しされた点が主張になっていないので落ちます。
確認のしかた:選択肢を読む前に、goal が強調するよう求めている点と、メモの中でその点を測っている事実を書き出し、その事実を主張の中心に置いている選択肢だけを残してください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
While researching a topic, a student has taken the following notes:
- Chinua Achebe was a Nigerian novelist.
- His novel Things Fall Apart was published in 1958.
- It depicts Igbo society before and during British colonial rule.
- The novel has been translated into more than 50 languages.
- It has sold more than 20 million copies worldwide.
The student wants to emphasize the global reach of Things Fall Apart.
A Things Fall Apart, a 1958 novel by Chinua Achebe, depicts Igbo society before and during British colonial rule.
1958年という出版年も、Igbo 社会を描いているという内容も、メモに書かれている通りで、事実としては何も間違っていません。ただしこの文が述べているのは作品の中身であって、作品がどこまで届いたかには一言も触れていません。goal が名指しした点が主張に出てこない以上、情報が多くても外れます。
B Chinua Achebe, a Nigerian novelist, is the author of Things Fall Apart.
Achebe がナイジェリアの小説家であることも、Things Fall Apart を書いたことも、メモの通りです。ただし出身と肩書きは appositive(同格)に収まっていて、文が言っているのは「誰が書いたか」だけです。作品の広がりを示す事実は一つも入っていません。
C Published in 1958, Things Fall Apart was written by Chinua Achebe.
出版年も著者名もメモと一致していて、誤りはありません。ただし文頭の participial phrase(分詞句)が足しているのは出版年だけで、主節も「誰が書いたか」で終わります。広がりを示す数字はここでも使われていません。
D(正解) Chinua Achebe’s 1958 novel Things Fall Apart has been translated into more than 50 languages and has sold more than 20 million copies worldwide.
翻訳された言語が50以上、世界での販売が2000万部以上という、メモの中で広がりを直接示す二つの数字を述部に置き、文の主張そのものを「作品がどこまで届いたか」にしています。goal が名指しした「global reach」を文の中心に据えている選択肢は、これだけです。
日本人がハマる理由
国語の授業で書く本の紹介カードは、書名・著者名・あらすじの順に埋めるのが定型で、A はその型にそのまま重なります。さらに日本では「累計〇〇万部」のような数字は本の帯に刷られた宣伝文句として目に入るので、翻訳言語数や販売部数は作品の説明ではなく売り込みに見えやすく、D を選びにくくなります。ここで採点されているのは紹介の型ではなく、goal が名指しした点が文の主張になっているかどうかだけです。
- 08理由や仕組みを説明する
概念を具体例で説明せよという目的は、概念そのものの中身と、それが表れている具体的な事例の両方が一つの文に入って初めて満たされます。どちらか一方しかない文は、書かれている内容が正確でも目的を果たしていません。
確認のしかた:選択肢を見る前に目的を読み、その一文に必ず入っていなければならない二つ、すなわち概念そのものの中身と、それが表れている具体的な事例を書き出してください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
While researching a topic, a student has taken the following notes:
- The axolotl and the tiger salamander are closely related amphibians.
- Tiger salamanders undergo metamorphosis, losing their gills and moving onto land as adults.
- Axolotls typically do not undergo metamorphosis; they keep their gills and remain aquatic as adults.
- The retention of juvenile traits in adult animals is called neoteny.
The student wants to use a specific example to explain the concept of neoteny.
A(正解) Neoteny, the retention of juvenile traits in adults, can be seen in the axolotl, which, unlike its close relative the tiger salamander, keeps its gills and remains aquatic as an adult.
前半で neoteny の中身を示し、後半で axolotl という具体的な事例を挙げています。近縁の tiger salamander との対比があるので、成体になっても gills を残すという点がそのまま juvenile traits の保持に当たると分かります。概念の中身と事例が一文に揃っており、目的が求めている形です。
B The axolotl and the tiger salamander are closely related, but only the tiger salamander loses its gills as an adult.
ノートの内容どおりの正しい文で、axolotl と tiger salamander という事例の材料も出ています。ただし neoteny という概念の名前も中身も一度も出てこないため、この対比が何を説明しているのかが読み手に伝わりません。概念の側が欠けているので目的を満たしていません。
C Neoteny is the retention of juvenile traits in adult animals.
neoteny の定義として正確で、ノートの一行をそのまま使っています。ただし目的は "use a specific example" と書いており、この文には事例が一つもありません。概念の中身だけでは、目的が求める二つのうち半分しか満たしていません。
D Tiger salamanders undergo metamorphosis, losing their gills and moving onto land.
ノートの記述としては正しい文です。ただし述べられているのは metamorphosis を行う tiger salamander、つまり neoteny が表れていない側の動物で、概念の名前も中身も出てきません。事例としても概念の説明としても目的から外れています。
日本人がハマる理由
日本の学校の試験では「〜とは何か説明せよ」に対して教科書どおりの定義を書けば正解になる形式が多く、用語の定義だけで成り立っている C が最も「解答らしい」形に見えます。英語の目的文は同じ一文に "use a specific example" まで課しているので、定義を書いた時点で終わりにしない読み方が必要です。
- 09指定された要素を過不足なく出す
出すべき要素を指定している goal(設問の指示)では、その要素をそのまま述べている選択肢だけが正解になります。ノートに基づく正しい文でも、指定された要素の代わりに別の事実を述べている文は、goal を果たしていません。
確認のしかた:選択肢を読む前に、goal(設問の指示)が名指しした要素、ここでは研究者が何を突き止めようとしたのかを自分の言葉で書き出し、それを述べている選択肢だけを残してください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
While researching a topic, a student has taken the following notes:
- Linguist Hana Ito studies whistled languages, which transform spoken words into whistled tones.
- Whistled languages are used in some mountainous regions, including La Gomera in the Canary Islands.
- Whistles can carry several kilometers, much farther than shouted speech.
- Ito wanted to determine whether listeners process whistled speech in the same brain regions they use for spoken language.
The student wants to present the aim of Ito’s research.
A(正解) Ito’s research sought to determine whether listeners process whistled speech in the same brain regions they use for spoken language.
ノートの四文目、つまり Ito が何を突き止めようとしたのかを、そのまま文の中心に置いています。goal(設問の指示)が求めている要素は研究の aim だけで、この文はそれを過不足なく述べています。
B Whistled languages, such as the one used on La Gomera, can carry several kilometers.
口笛が数キロ先まで届くことはノートに書かれていて、この文自体は正しい内容です。ただしこれは口笛言語という手段の性質を述べたもので、Ito が何を明らかにしようとしたのかには触れていません。goal(設問の指示)が名指しした要素が入っていないので、選べません。
C Ito studies whistled languages, which transform spoken words into whistled tones.
ノートの一文目をほぼそのまま使った正しい文で、Ito の研究対象も間違っていません。ただしここから分かるのは彼女が何を研究しているかまでで、何を突き止めようとしたのかは書かれていません。研究対象は aim の代わりにはなりません。
D Because whistles carry farther than shouts, whistled languages are used in some mountainous regions.
口笛が叫び声より遠くまで届くことも、山岳地帯で使われていることも、どちらもノートにあります。ただし、この二つを「〜なので」で結ぶ因果はノートには書かれていません。しかもこの文が述べているのは口笛言語が使われる理由で、これは「理由や仕組みを説明する」goal(設問の指示)に向いた形です。ここで出すよう指定されているのは Ito 自身の研究の aim なので、要素が足りません。
日本人がハマる理由
日本の国語の記述問題は要素点方式で採点されることが多く、必要な情報を多く盛り込み、複数の材料を因果でつないだ答案ほど点が伸びます。その感覚で見ると、二つのノートを「〜なので」でつないだ D は答案として整って見え、ノートの一文をほぼそのまま使った A は素っ気なく見えます。SAT ではノートの文をほぼそのまま使うこと自体は減点されません。判定されるのは goal(設問の指示)が指定した要素を出しているかどうかだけです。
- 10強調する
「強調する」という目的では、目的が名指しした主張そのものを文の中心に置き、メモの中でその主張を直接裏づける最も具体的な事実を使った選択肢だけが正解になります。対象に触れているだけの文や、その主張を支えない事実を述べた文は、内容が正確でも目的を果たしません。
確認のしかた:選択肢を見る前に目的を読み、文が言い切らなければならない主張と、それを裏づけるメモの事実(どちらが先かを問う主張なら年号)を一行書き出し、そのうえでその主張を言い切っている選択肢だけを残してください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
While researching a topic, a student has taken the following notes:
- Several cities have turned disused elevated transportation structures into public parks.
- New York City’s High Line opened in 2009 on a former elevated freight rail line.
- The Coulée verte René-Dumont in Paris opened in 1993 on a former railway viaduct.
- Seoul’s Seoullo 7017 opened in 2017 on a former highway overpass.
The student wants to emphasize that the High Line was not the first park of its kind.
A Seoul’s Seoullo 7017, which opened in 2017, was built on a former highway overpass.
ソウルの Seoullo 7017 が 2017 年に高速道路の高架跡につくられたことはメモのとおりで、内容に誤りはありません。ただし 2017 年は High Line の 2009 年より後なので、先に同じ種類の公園があったことにはなりません。目的が求めているのは「最初ではない」と言い切ることであり、後からできた例をどれだけ正確に書いても、その主張を支えられません。
B(正解) Although New York City’s High Line opened in 2009, Paris had already converted a former railway viaduct into a park, the Coulée verte René-Dumont, in 1993.
1993 年に開園したパリの Coulée verte René-Dumont を 2009 年の High Line と並べ、先にあったのはパリのほうだと言い切っています。目的が求めているのは「High Line が最初ではない」という主張そのもので、それを成立させるのは二つの年号の差です。Although で始まる concession(譲歩)の形にして High Line を前置きに回し、先にできた公園を文の中心に置いている点も、この主張を強調する働きをしています。
C Several cities, including New York City and Paris, have turned disused elevated structures into parks.
ニューヨークとパリの両方に触れていて、メモに沿った正確な文です。ただし年号がないため、どちらが先かが決まりません。「最初ではない」という主張は開園時期を示す具体的な事実がなければ成り立たず、複数の都市を並べただけでは目的を果たせません。
D New York City’s High Line, which opened in 2009, was built on a former elevated freight rail line.
High Line が 2009 年に貨物鉄道の高架跡につくられたという説明は正確で、メモのとおりです。ただし述べているのは High Line 一つだけで、比べる対象になる公園が出てきません。目的が求めているのは他の公園と比べて「最初ではない」と示すことなので、High Line だけを説明した文では、最初かどうかについて何も言っていないことになります。
すべて無料です。練習は3つまで登録なしで使え、そのあとは無料の登録(メールアドレスだけ)で続けられます。本番の形式は、hydeSolutionの無料模試で試せます。
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