解説の言語

解説は日本語。文法用語は英語のまま出します。 本番は「英語」★です。

Form, Structure & Sense.

主語と動詞の一致、時制、代名詞、並列。12問で12のルールが出ますが、手順は4つしかありません。どの手順を使うかを見分けられれば、この分野は終わります。

この12問に共通すること

この12問は、どれも空所の外にある一語で決まります。subject(主語)、antecedent(先行詞)、時間を示す語、リストの1つ目——まずその語を見つけてから、選択肢を読みます。

主語をさがす5問

空所から動詞や代名詞をたどって、本当の主語(または先行詞)を見つけます。あいだにある名詞は、どれだけ複数形でも無関係です。

前とそろえる2問

空所の前にある形——コンマの前の修飾句、リストの1つ目——を見て、同じ形に合わせます。

役割で形が決まる3問

その語が文の中で何をしているか(所有する・目的語になる・要求の中身を表す)で、形が一つに決まります。

時間の基準をさがす2問

文の中にあるもう一つの時間表現を探します。時制は、その語との前後関係で決まります。

日本人がハマる理由

日本語の動詞は、主語の数によって形が変わりません。「本が届く」も「本が何冊も届く」も、動詞は「届く」のままです。だから英語でも、動詞の形を主語と照らし合わせる習慣そのものがありません。代わりに、空所のすぐ手前にある名詞の数につられます。「主語をさがす」の問題は、まさにその一点を突いてきます。

問題文と選択肢は、どの段階でも英語のままです。本番がそうだからです。


Form, Structure & Sense(文の形)で扱うルール、12項目

帰国子女・インターナショナルスクール生のための、デジタルSAT の無料教材です。Form, Structure & Sense の練習12問で出てくるルールを一覧にしました。解き終わったあとの復習や、 試験前の読み返しに。独学でも進められるように、ルールごとに確認のしかたをつけています。 12項目には「日本人がハマる理由」をつけています。日本語の文法や語順のどこが原因で、その誤答が自然に見えてしまうのかを説明します。

この分野ぜんたいに共通する、日本人がハマる理由

日本語の動詞は、主語の数によって形が変わりません。「本が届く」も「本が何冊も届く」も、動詞は「届く」のままです。だから英語でも、動詞の形を主語と照らし合わせる習慣そのものがありません。代わりに、空所のすぐ手前にある名詞の数につられます。「主語をさがす」の問題は、まさにその一点を突いてきます。

  1. 01主語をさがす

    verb(動詞)の形は、subject(主語)の中心になる noun(名詞)ひとつで決まります。主語と動詞の間に挟まる prepositional phrase(前置詞句)や relative clause(関係節)の中の名詞は、動詞のすぐ手前にあっても、動詞の形には関係しません。

    確認のしかた:空所より前にある of・that・which などで始まる部分を指で隠し、残った語をそのまま空所につないで、選択肢を見る前に verb(動詞)を声に出してください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    The collection of letters, diaries, and photographs that the historian donated to the county archive __________ a rare glimpse of daily life in the 1890s.

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A offer

      offer は、subject(主語)が plural(複数形)のときの形です。文の途中に並ぶ letters・diaries・photographs につられやすいのですが、これらは prepositional phrase(前置詞句)と relative clause(関係節)の中にあり、主語ではありません。主語の中心にある collection は singular(単数形)なので、offer では形が合いません。

    • B have offered

      have offered は、subject(主語)が plural(複数形)のときの形です。二語なので数とは無関係に見えますが、数を決めているのは先頭の have で、主語が singular(単数形)なら has offered になります。主語の中心にある collection は単数なので、have は使えません。

    • C are offering

      are offering は、subject(主語)が plural(複数形)のときの形です。数を決めているのは先頭の are で、主語が singular(単数形)なら is offering になります。主語の中心にある collection は単数なので、進行形かどうか以前に are が使えません。

    • D(正解) offers

      verb(動詞)の形を決めているのは、subject(主語)の中心にある collection です。of letters, diaries, and photographs は prepositional phrase(前置詞句)、that 以下は relative clause(関係節)で、どちらも collection を説明しているだけです。collection はひとまとまりを指す singular(単数形)なので、動詞は offers になります。

    日本人がハマる理由

    日本語の verb(動詞)は数で形が変わりません。「ある」は物が一つでも二つ以上でも同じ形で、動詞を subject(主語)の数に合わせるという操作自体が日本語にないため、近くにある語の感触で選んでしまいます。さらに日本語は修飾部分が noun(名詞)の前に来るので、「歴史家が寄贈した手紙・日記・写真のコレクションは」のように、中心語のコレクションが述語の手前に残ります。英語は逆に中心語が先に立ち修飾が後ろへ長く伸びるため、中心語と動詞が離れ、その間に plural(複数形)の名詞が入り込み、耳に残った語に合わせると A・B・C を選んでしまいます。

  2. 02主語をさがす

    neither … nor や either … or が二つの subject(主語)をつなぐときは、verb(動詞)は近いほうの主語に数を合わせます。その主語と動詞のあいだに入る句は、数の判断には関係しません。

    確認のしかた:nor までを指で隠し、preposition(前置詞)で始まる句をすべて消したうえで、空所の直前に残る noun(名詞)だけを読んでください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    Neither the tomato plants nor the pepper plant in the east corner of the greenhouse __________ enough sunlight during the winter months.

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A receive

      receive は plural(複数)の subject(主語)に合う形で、遠いほうの the tomato plants に合わせてしまっています。neither … nor では、verb(動詞)は nor のうしろにある近いほうの主語に数を合わせます。ここで近いのは the pepper plant なので、receive では形が合いません。

    • B have received

      have received の have は plural(複数)の subject(主語)に使う形です。近いほうの主語は the pepper plant で、これは singular(単数)ですから、have は使えません。遠い the tomato plants を基準にしたときに選びやすい形です。

    • C(正解) receives

      nor の直後にある the pepper plant が、verb(動詞)にいちばん近い subject(主語)です。これは singular(単数)なので、動詞は receives になります。the tomato plants が plural(複数)でも、nor より前の語は数の判断に関係しません。

    • D are receiving

      are receiving の are も plural(複数)の subject(主語)に使う形です。近いほうの主語 the pepper plant は singular(単数)なので、are では数が合いません。progressive(進行形)が適切かどうかを考える前に、are の時点で数が合わないと判断できます。

    日本人がハマる理由

    日本語の verb(動詞)は subject(主語)の数によって形が変わりません。「トマトもピーマンも日光を受けない」のように、主語が singular(単数)でも plural(複数)でも述語は同じ形なので、数を動詞に反映させるという操作そのものが母語にありません。また日本語の「AもBも」は二つを対等に並べる言い方で、後ろ側の要素が述語の形を決めるという規則は存在しないため、文全体の意味から「二つのものの話だ」と感じたまま receive を選びやすくなります。さらに日本語は修飾語が名詞の前に来るので、the pepper plant のうしろに in the east corner… が続いて主語と動詞が離れる並びに慣れておらず、空所の直前の語を見失いがちです。

  3. 03主語をさがす

    文頭に長いかたまりが置かれて subject(主語)が verb(動詞)の後ろに回っても、動詞が形を合わせる相手はその主語です。and で結ばれた主語は、それぞれが singular(単数)でも plural(複数)として扱います。

    確認のしかた:preposition(前置詞)で始まるかたまりを鉛筆で消し、空所の前と後ろの両方で、残った noun(名詞)のかたまりがいくつあるか数えてください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    Among the objects recovered from the sixteenth-century shipwreck __________ a bronze navigational instrument and several gold coins minted in Lisbon.

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A(正解) were

      文頭から shipwreck までは preposition(前置詞)で始まるかたまりで、この中に subject(主語)はありません。本当の主語は空所の後ろにある a bronze navigational instrument and several gold coins で、and で二つ並んでいるので plural(複数)です。引き揚げは過去の出来事なので、複数の主語を受ける past tense(過去形)の were が入ります。

    • B was

      was は singular(単数)に対応する形です。空所の直前の shipwreck や、空所のすぐ後ろにある a bronze navigational instrument だけを subject(主語)と見ると was を選びたくなりますが、本当の主語は and の後ろの several gold coins まで含めた二つです。二つそろって主語になっている以上、単数の was は使えません。

    • C is

      is も singular(単数)に対応する形なので、and で二つつながった subject(主語)には使えません。さらに recovered が示すとおり引き揚げは過去の出来事で、現在を表す present tense(現在形)の is はこの文には合いません。

    • D has been

      has been も singular(単数)に対応する形です。and で二つつながった subject(主語)を受けるなら has ではなく have になるはずで、has been はこの文には入りません。空所の直前の shipwreck だけを見ていると、単数の has been が正しく見えてしまいます。

    日本人がハマる理由

    日本語の verb(動詞)は、subject(主語)が一つでも二つ以上でも形が変わりません。「物があった」は一つでも十でも同じ形なので、動詞を決める前に主語の数を確かめるという手順自体が身についていません。さらに日本語は動詞が文末に来るのが原則で、少なくとも書き言葉では主語が動詞の後ろに回ることはまずありません。そのため空所より前だけで主語を探して読み終えてしまい、直前の shipwreck を主語と受け取って、singular(単数)の was・is・has been に手が伸びます。

  4. 04主語をさがす

    pronoun(代名詞)は、あいだに prepositional phrase(前置詞句)が割り込んでも、その中の語ではなく自分が指している語に形を合わせます。each、every、either、neither は、直後にどんな語が続いても singular(単数)として扱います。

    確認のしかた:subject(主語)の直後にある of 〜 の prepositional phrase(前置詞句)を線で消し、残った文を頭から読み直したうえで、アポストロフィのついた選択肢は it is / they are と読み替えてから選んでください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    Each of the participating schools submitted __________ own proposal to the foundation, and the review panel read every one before announcing the grants.

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A their

      their が受けられるのは plural(複数)の語です。これを選ぶとき、実際に形を合わせている相手は prepositional phrase(前置詞句)の中の schools で、subject(主語)の Each ではありません。Each は学校を一校ずつ取り上げる語なので、ここで their は使えません。

    • B(正解) its

      prepositional phrase(前置詞句)の of the participating schools を消すと、Each submitted ___ own proposal が残ります。空所の語が指す antecedent(先行詞)はこの Each で、each は一つずつ取り上げる語なので singular(単数)として扱います。だから空所には its が入ります。

    • C it’s

      it's は it is の短縮形で、possessive(所有格)の its とは別の語です。空所に入れて読むと submitted it is own proposal となり、文として成り立ちません。発音は its と同じなので、アポストロフィを見たらその場で it is と読み替えて確かめてください。

    • D they’re

      they're は they are の短縮形で、possessive(所有格)ではありません。空所に入れて読むと submitted they are own proposal となり、文として成り立ちません。they 自体も plural(複数)を受ける語なので、Each を受ける形としても合いません。

    日本人がハマる理由

    日本語の名詞は、原則として singular(単数)と plural(複数)を形では区別しません。学校が一校でも十校でも「学校」のままですし、「その」「それぞれの」のように所有を表す語も、受ける相手の数で形が変わりません。つまり its と their を使い分けるという操作そのものが母語にないため、目に入る schools の数の多さだけを手がかりに their を選びがちです。英語では、形を決めているのは後ろの schools ではなく Each のほうだ、と見方を切り替える必要があります。

  5. 05前とそろえる

    文頭に置かれ、自分の subject(主語)を持たない modifier(修飾語)は、comma(コンマ)の直後に来る語を説明します。ですから、コンマの直後には、その修飾語が説明している対象そのものを置きます。

    確認のしかた:選択肢を隠してコンマより前だけを読み、その句が当てはまるのはどんなものかを声に出して言ってから、コンマの直後の subject(主語)がそれと同じものを指していて、「〜の重さ」のように別の語に付いた形になっていない選択肢だけを残してください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    Carved from a single block of basalt, __________

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A archaeologists estimate the statue’s weight at nearly three tons.

      A はコンマの直後が archaeologists なので、玄武岩から切り出されたのは考古学者だ、と述べる文になります。切り出されたのは像であって、人ではありません。考古学者が重さを推定したという内容自体は自然ですが、コンマの直後に置けるのは、切り出された当のものを指す語だけです。

    • B the statue’s weight is nearly three tons.

      B はコンマの直後が the statue's weight で、subject(主語)の中心になっている語は weight です。玄武岩から切り出されたのは重さではなく像ですから、ここには置けません。the statue という語が見えていても、それは weight に付いた「〜の」であって、切り出されたものとして立っているわけではありません。

    • C nearly three tons is the statue’s weight.

      C はコンマの直後が nearly three tons なので、玄武岩から切り出されたのが「3トン近く」という重さだ、という文になります。切り出されるのは像であって、重さの数値ではありません。B の語順を入れ替えた形ですが、コンマの直後に来る語で判断するという点は変わりません。

    • D(正解) the statue weighs nearly three tons.

      コンマの前の Carved from a single block of basalt は participial phrase(分詞句)で、自分の subject(主語)を持たないため、コンマの直後に来る語を説明します。玄武岩から切り出されたのは像そのものですから、ここに置けるのは the statue だけです。D はコンマの直後が the statue になっており、weighs がその像の重さを述べています。

    日本人がハマる理由

    日本語では、ものを説明する句は必ずその noun(名詞)の直前に置かれ、離れて立つことはありません。しかも「玄武岩から切り出された像の重さを、考古学者は3トン近くと推定している」のように、説明される語が文の奥にあっても成り立ちます。英語のように句だけが文頭に離れて置かれ、コンマの直後の語とだけ結びつくという形が日本語にはないため、説明の相手が文中のどこかにあれば足りると感じられ、the statue という語を含む A や B が自然に見えます。さらに日本語では「像の重さは3トン近くある」と言えるので、the statue's weight も像そのものを話題にしていると感じられます。

  6. 06役割で形が決まる

    possessive(所有格)は、文脈が求める数に合わせて noun(名詞)を singular(単数)か plural(複数)の綴りに決めてから、singular には apostrophe(アポストロフィ)と s を、-s で終わる plural には apostrophe だけを付けて作ります。所有を示すために語そのものの綴りを変えることはありません。

    確認のしかた:選択肢を見る前に、空所の直後にあるものの持ち主が本文のどこで先に出てきたかを探し、その語の直前にある数を示す語(a、one、single、several など)に丸を付けてください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    Cliff swallows nest in large groups. A single colony can include hundreds of birds, and that __________ mud nests are often packed tightly together beneath bridges and overhangs.

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A(正解) colony’s

      本文に "A single colony" とあるとおり、巣を持つ群れは一つです。数が singular(単数)だと決まれば、あとは colony の後ろに apostrophe(アポストロフィ)と s を足すだけで、綴りは何も変えずに colony's ができます。

    • B colonies’

      colonies' は plural(複数)の possessive(所有格)で、群れが二つ以上ある場合の形です。しかし本文で巣を持っているのは "A single colony" の一つだけで、空所の直前の that もその群れを指しています。that は単数の名詞にしか付かないので、that colonies' とは言えません。少し前の "hundreds of birds" は鳥の数であって群れの数ではないので、これに引かれて plural の形を選ばないでください。

    • C colonys’

      colonys という綴りの語は英語にありません。子音+y で終わる語を plural(複数)にするなら y を i に変えて colonies、singular(単数)の possessive(所有格)にするなら colony's で、どちらの道筋をたどっても colonys は出てきません。語として存在しない以上、意味を考えるまでもなく外れます。

    • D colonies

      colonies は apostrophe(アポストロフィ)の付いていない、ただの plural(複数)の noun(名詞)です。所有の印がないので "that colonies mud nests" は語が並ぶだけになり、巣が誰のものかを示せません。数を plural にすることと、所有を示すことは別の作業です。

    日本人がハマる理由

    日本語の noun(名詞)は数を必ず示すわけではありません。「群れ」は一つでも二つ以上でも形が変わらず、所有は「の」という particle(助詞)だけで表せるので、数を決めないまま「群れの巣」と言えてしまいます。つまり日本人は、所有を示す前に数を確定させるという手順を、日本語では一度も踏んでいません。そのため colony's と colonies' の違いがどちらでもよいように見え、近くにある "hundreds of birds" に引かれて colonies' を選びやすくなります。

  7. 07役割で形が決まる

    要求・提案・主張を表す動詞のあとに that 節が続き、その節が「こうしてほしい」という内容を述べるとき、節の中の動詞は主語にも主節の時制にも左右されず base form(原形)のままです。この形を subjunctive(仮定法現在)と呼びます。

    確認のしかた:選択肢を見る前に空所へ should を入れて節を読み、意味が通るなら should を消して、その直後に来る動詞の形をそのまま選んでください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    The researchers asked that each participant __________ a daily log of screen time for the full six weeks of the study.

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A keeps

      keeps は主語 each participant が単数であることに合わせて -s を付けた present tense(現在形)です。ふつうの文ならこの形で正しいのですが、asked that のあとの節では主語との一致が起きません。ここで必要なのは現在形ではなく subjunctive(仮定法現在)です。

    • B kept

      kept は past tense(過去形)です。主節の asked が過去なので時制をそろえたくなりますが、要求を表す動詞の that 節は主節の時制に影響されません。研究が過去の出来事であっても、ここに過去形は入りません。

    • C has kept

      has kept は present perfect(現在完了)です。六週間ずっと続けるという意味に引かれて選びたくなりますが、この that 節が述べているのは研究者が求めた内容そのもので、完了や継続を表す形は入りません。ここに必要なのは時制を持たない base form(原形)です。

    • D(正解) keep

      asked that のあとの that 節では、主語が単数でも複数でも動詞は base form(原形)のままです。each participant は third person singular(三人称単数)ですが -s は付かず、主節の asked が過去でも that 節の動詞が過去に変わることはありません。したがって keep が正解です。

    日本人がハマる理由

    日本語の動詞は主語の人称や数によって形が変わらないため、英語の -s は感覚としてではなく「主語が単数なら付ける」という後から覚えた規則として当てはめられます。each participant が単数だと見えた瞬間に keeps が正しく見えるのは、この規則が反射的に働くからです。さらに日本語では、要求の内容を「〜するように」という言い方で表し、動詞そのものを subjunctive(仮定法現在)にあたる特別な形に変える仕組みがありません。そのため keep は -s を付け忘れた不完全な形に見え、正解であるにもかかわらず最初に候補から外されます。

  8. 08時間の基準をさがす

    文が過去のある時点を基準にしているときは、その基準より前に終わっていた動作も、基準の時点まで続いていた動作も past perfect(過去完了)で表します。present perfect(現在完了)は基準が必ず「今」になるため、過去に置かれた基準との前後関係を示すことはできません。

    確認のしかた:選択肢を読む前に、文の基準になっている時を示す語句に下線を引き、その上に「過去」「今」「未来」のどれかを書き込んでから、その印に合う形を選んでください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    By the time the Hale Telescope was finally dedicated in 1948, engineers and craftsmen __________ on the project for two decades.

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A have worked

      have worked は present perfect(現在完了)で、基準の時点が必ず「今」になります。この文の基準は1948年という過ぎた一点なので、have worked を入れると作業が今も続いていることになり、文が示す時間とずれます。for two decades という期間の長さにつられて今とつなげてしまいがちですが、期間の長さは基準の位置を決めません。

    • B will have worked

      will have worked は future perfect(未来完了)で、未来のある時点までに終わっている動作を表します。By the time の「〜までに」という区切りだけを見て選んでしまいがちですが、確かめるべきなのは、その区切りが未来にあるのか過去にあるのかです。この文の区切りは1948年で、すでに過ぎた時点です。

    • C(正解) had worked

      By the time the Hale Telescope was finally dedicated in 1948 が、1948年という過去の一点を基準として示しています。作業はその基準までの二十年間続き、1948年の時点ではすでに終わっているので、基準より前の出来事を表す past perfect(過去完了)の had worked が入ります。基準を先に決めてしまえば、入る形は一つに決まります。

    • D work

      work は present tense(現在形)で、今くり返している動作や今の状態を表します。1948年という時の情報が By the time の節にあるため、空所の側では形を変えなくてよいと考えてしまいがちです。しかし作業は1948年までに終わった出来事なので、今を基準にする形では基準との前後関係を示せません。

    日本人がハマる理由

    日本語には past perfect(過去完了)にあたる専用の形がありません。「1948年までに二十年間働いていた」のように、過去のある時点より前という前後関係は、「までに」や「〜ていた」といった語句が引き受けます。さらに日本語では、subordinate clause(従属節)の tense(時制)が main clause(主節)の時を基準に相対的に決まるため、文のどこかに時を示す語句があれば、空所の側で形を変える必要を感じにくくなります。その結果、基準が今なのか過去なのかを確かめないまま、耳になじむ have worked や、形を変えない work を選びやすくなります。

  9. 09主語をさがす

    verb(動詞)の形は、subject(主語)の中心になる noun(名詞)で決まります。その名詞の後ろに prepositional phrase(前置詞句)や修飾語が続いても、その中にある名詞は動詞の形に影響しません。

    確認のしかた:文の中で最初に出てくる preposition(前置詞)から空所の直前までを指で隠し、残った語だけをつなげて読んでください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    The number of languages spoken around the world __________ expected to fall significantly over the next century as many smaller languages lose their last speakers.

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A are

      are は plural(複数形)です。空所の直前にある languages に形を合わせた選択肢ですが、languages は of の後ろにあるので subject(主語)にはなれません。a number of は「多くの〜」で複数扱い、the number of は「〜の数」で単数扱いと、形が似ていても別の表現です。

    • B were

      were は plural(複数形)で、しかも past tense(過去形)です。subject(主語)の中心は number で単数ですから、まず数が合いません。さらにこの文は over the next century、つまりこれから先のことを述べているので、過去形を選ぶ理由もありません。

    • C have been

      have been も plural(複数形)です。空所の直前の languages に引きずられた形ですが、数を決めるのは of の後ろの語ではなく、subject(主語)の中心にある number です。number は一つの数を指すので、複数形は使えません。

    • D(正解) is

      この文の subject(主語)の中心は number であって、languages ではありません。of languages spoken around the world は number を後ろから説明する部分なので、そこを隠すと The number ___ expected という骨組みが残ります。number は singular(単数形)ですから、空所に入るのは is です。

    日本人がハマる理由

    日本語の verb(動詞)は、subject(主語)が一つでも複数でも形が変わりません。数に合わせて動詞を選ぶという作業自体が日本語にないので、意識しなければそのまま通り過ぎます。さらに日本語は修飾する語句が noun(名詞)の前に来るため、「世界中で話されている言語の数は」では中心の「数」が動詞のすぐ前に残ります。英語は修飾部分が名詞の後ろに続くので、動詞の直前にあるのは languages のような修飾部分の名詞になり、耳で合わせると A を選んでしまいます。

  10. 10前とそろえる

    and や or でつながれた list(列挙)では、すべての項目を同じ文法の形にそろえます。これが parallel structure(並列構造)で、空所に入る項目の形は前に並んだ項目がすでに決めています。

    確認のしかた:空所より前にある各項目の最初の語に下線を引き、その形を確かめてから、同じ形で始まる選択肢だけを残してください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    The grant will fund three projects at the old mill: restoring its waterwheel, digitizing its account books, and __________

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A the creation of a small museum.

      the creation of a small museum は creation を中心とする noun phrase(名詞句)で、restoring や digitizing のように -ing 形では始まりません。三つ目だけ形が変わるので、コロンの後ろに並ぶ三つの項目がそろいません。意味が自然かどうかではなく、前の二つと同じ語形かどうかで選びます。

    • B to create a small museum.

      to create は to のついた infinitive(不定詞)で、-ing 形ではありません。前の二つが -ing で始まっている以上、三つ目だけこの形にすると list(列挙)の形がそろいません。日本語にすればどちらも「作ること」ですが、英語では語形そのものを一致させる必要があります。

    • C a small museum will be created.

      a small museum will be created は subject(主語)と verb(動詞)がそろった一つの文です。前の二つは restoring, digitizing という句なので、句で始まった list(列挙)の途中に文を混ぜることはできません。三つ目だけ形が変わり、並びがそろわなくなります。

    • D(正解) creating a small museum.

      前の二つは restoring, digitizing と -ing 形で始まっています。三つ目も同じ形にそろえるので creating が入り、三つとも gerund(動名詞)になります。選択肢の意味を比べるまでもなく、前の項目の語形だけで決まります。

    日本人がハマる理由

    日本語では、こうした並びを「水車の修復、帳簿のデジタル化、博物館の創設」のように漢語の名詞でそろえるのが自然です。そのため A の the creation of a small museum が形として最も落ち着いて見えます。また、日本語には英語の gerund(動名詞)と infinitive(不定詞)のような語形の区別がなく、どちらも「作ること」という一つの言い方に収まるため、A・B・D が同じ意味に見えて語形の違いが手がかりになりません。英語では意味が同じでも語形をそろえる必要があり、ここが日本語と違います。

  11. 11役割で形が決まる

    relative pronoun(関係代名詞)の形は、指している名詞ではなく、自分が入っている節の中での役割で決まります。節の動詞をするのが自分なら subject(主語)の形、直後にその人の持ち物を表す名詞が続くなら possessive(所有格)の形、節にすでに別の主語があり、自分がその動詞や前置詞の相手なら object(目的語)の形です。

    確認のしかた:空所を指で隠し、その先にある最初の動詞を探して、その動詞をしている名詞がすでに置かれているかを確かめてください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    The prize will go to the scientist __________ the committee judges to have made the most significant contribution to the field.

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A(正解) whom

      judges をしているのは the committee であって、空所ではありません。the committee judges her to have made … と置き換えてみると、ここは she ではなく her が入る位置だと分かります。つまり空所は judges の object(目的語)なので、objective case(目的格)の whom が正しい形です。

    • B who

      who は subject(主語)になるときの形です。しかしこの節の主語は the committee で、空所ではありません。who を入れると、主語がすでにある節にもう一つ主語を置くことになります。

    • C whose

      whose は possessive(所有格)で、直後には「その人のもの」にあたる名詞が冠詞なしで続きます。ここで空所の後ろにあるのは the committee で、the が付いている時点で形が合いませんし、委員会は scientist の持ち物でもありません。

    • D which

      which が指せるのは人以外のものです。空所が指しているのは the scientist という人なので、節の中での役割を考える前に、指す対象の時点で合いません。人を指すのは who / whom / whose のいずれかです。

    日本人がハマる理由

    日本語の relative clause(関係節)は名詞の前に置かれ、英語の relative pronoun(関係代名詞)にあたる語を含みません。たとえば「委員会が最も重要な貢献をしたと判断する科学者」では、修飾される「科学者」に「が」も「を」も付きません。つまり、その名詞が節の中でどの役割だったかを形で示す習慣が日本語にはありません。そのため英語でも「何を指すか」だけで形を決めてしまい、人を指すのだから who、と選びがちです。

  12. 12時間の基準をさがす

    書き換えられない main clause(主節)の verb(動詞)の tense(時制)が、その文の時間の基準です。that や who の節の中にある verb は基準にならず、時間が移ったことを示す語句がない限り、空所の verb はこの基準にそろえます。

    確認のしかた:選択肢を手で隠したまま、that や who の節の中にある verb(動詞)は数えず、空所以外の main clause(主節)の verb に下線を引いて、その tense(時制)を声に出して言ってください。

    問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)

    In the novel, the narrator initially __________ her older sister as distant and cold, but by the final chapter she recognizes that her sister’s reserve concealed deep grief.

    Which choice completes the text so that it conforms to the conventions of Standard English?

    • A described

      past tense(過去形)の described を選ぶと、but の後ろにある recognizes と時間の軸がずれます。initially という語や、小説の出来事を終わったこととして振り返る読み方につられた選び方です。空所の基準になるのは書き換えられない recognizes で、こちらは present tense(現在形)です。

    • B(正解) describes

      but の後ろの recognizes は、空所と並ぶ main clause(主節)の verb(動詞)で、present tense(現在形)です。書き換えられないのはこちらなので、空所の tense(時制)をそれにそろえて describes を選びます。小説の内容を説明する文は present tense で書く、という英語の習慣にも合います。

    • C had described

      had described は、initially と by the final chapter の前後関係を見て、先に起きたほうを一段古い形にしようとした選び方です。past perfect(過去完了)は、過去のある時点を基準にして、それより前の出来事を指すときに使います。空所の基準は present tense(現在形)の recognizes なので、過去を基準にした一段古い形は置けません。

    • D will describe

      will describe は、by the final chapter をこれから来る時点として読んだ選び方です。future tense(未来形)は基準より後のことを指しますが、姉を distant and cold と見ているのは recognizes より前の場面です。前後が逆になるので、この形は入りません。

    日本人がハマる理由

    日本語の物語では、同じ段落の中でタ形とル形が入れ替わっても誤りになりません。そのため described と recognizes が並んでいても日本人には不自然さが感じられず、A がそのまま通ってしまいます。また日本語は、subordinate clause(従属節)の tense(時制)を発話時ではなく main clause(主節)の出来事を基準に決めるので、「あとの場面より前の出来事だから古い形にする」という発想が先に出て、C も選びやすくなります。

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