解説の言語
解説は日本語。文法用語は英語のまま出します。 本番は「英語」★です。
Command of Evidence.
誤答15個のうち14個は、表を正しく読んだ本当の文です。数字の読み違いで消せるのは1個だけ。落ちる理由のほとんどは、主張が必要としている比較をしていないことです。
選択肢を見る前に、やること
選択肢を表と照らし合わせて消せるのは、15個の誤答のうち1個だけです。残りの14個は表を正しく読んでいます。落ちるのは、主張が成り立つために必要な比較をしていないからです。だから、主張だけを読んで「どの数字とどの数字を並べれば確かめられるか」を先に決め、そのあとで選択肢を見ます。
主張が成り立つために、どの二つを並べる必要があるかを先に決めます。片方のグループの数字しか出していない選択肢は、正しくても比較になっていません。
設問が weaken(弱める)と言っているときは、主張に反する一例を探します。「本文と反対のことを言っているから違う」と外してしまうと、この設問では正解を消すことになります。
日本人がハマる理由
日本の入試で出る資料読み取りは、誤答が表の数値と食い違うように作られていることが多く、選択肢を一つずつ表と照合して「合っているもの」を残す解き方が身についています。その手順はここでも働きますが、消せるのは15個中1個です。照合する相手は表ではなく、主張が要求している比較のほうです。
問題文と選択肢は、どの段階でも英語のままです。本番がそうだからです。
Command of Evidence(表から根拠を選ぶ)で扱うルール、5項目
帰国子女・インターナショナルスクール生のための、デジタルSAT の無料教材です。Command of Evidence の練習5問で出てくるルールを一覧にしました。解き終わったあとの復習や、 試験前の読み返しに。独学でも進められるように、ルールごとに確認のしかたをつけています。 5項目には「日本人がハマる理由」をつけています。日本語の文法や語順のどこが原因で、その誤答が自然に見えてしまうのかを説明します。
この分野ぜんたいに共通する、日本人がハマる理由
日本の入試で出る資料読み取りは、誤答が表の数値と食い違うように作られていることが多く、選択肢を一つずつ表と照合して「合っているもの」を残す解き方が身についています。その手順はここでも働きますが、消せるのは15個中1個です。照合する相手は表ではなく、主張が要求している比較のほうです。
- 01支える
二つのグループを比べて一方の変化のほうが小さいと述べるclaim(主張)は、両方のグループについて変化量を示した記述でなければ裏づけられません。一時点の水準を述べただけの記述や、片方のグループの変化しか述べていない記述は、内容が正しくても、claimが求める比較を行っていません。
確認のしかた:選択肢を読む前に、4行それぞれについて2015年の値から2023年の値を引いた数を書き出し、Marine protected area? が Yes の2行の数と No の2行の数を並べて、どちらが大きく減ったかを確かめてください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
A student is investigating whether marine protected areas help reefs withstand warming events. The student claims that, between 2015 and 2023, the protected reefs in the table lost less coral cover than the unprotected reefs did.
Live coral cover at four reef sites (percent of reef surface) Reef Marine protected area? 2015 2023 A Yes 42 38 B Yes 35 33 C No 40 22 D No 37 25 A Reef A had higher coral cover than any other reef in both 2015 and 2023.
表の読み取りとしては正しく、Reef Aは2015年の42%も2023年の38%も他の3行を上回っています。ただしこれはその年その年の水準を比べているだけで、2015年から2023年にかけてどれだけ減ったかには触れていません。claim(主張)が求めているのは、marine protected area(海洋保護区)に指定された2行と指定されていない2行の減少幅の比較です。
B Reefs C and D had similar coral cover in 2015, at 40% and 37%, respectively.
表の読み取りとしては正しく、2015年のReef Cは40%、Reef Dは37%で、確かに近い値です。ただしこの2行はどちらも保護区ではない側で、しかも2015年の一年分の値しか述べていません。marine protected area(海洋保護区)側の減少幅と保護されていない側の減少幅という、claim(主張)が必要とする対比がここにはまったく出てきません。
C Reef D had higher coral cover than Reef B in both 2015 and 2023.
この選択肢だけは表の読み取り自体が成り立ちません。2015年はReef Dの37%がReef Bの35%を上回りますが、2023年はReef Dが25%、Reef Bが33%で、上下が入れ替わります。仮に両年とも上回っていたとしても、それは水準の大小であって、claim(主張)が必要とする減少幅の比較にはなりません。
D(正解) Cover at Reef A fell from 42% to 38% and at Reef B from 35% to 33%, while cover at Reef C fell from 40% to 22% and at Reef D from 37% to 25%.
正解で、4行すべてについて2015年と2023年の両方の値を挙げているのはこの選択肢だけです。marine protected area(海洋保護区)に指定されたReef Aは42%から38%で4ポイント、Reef Bは35%から33%で2ポイントの減少、指定されていないReef Cは40%から22%で18ポイント、Reef Dは37%から25%で12ポイントの減少です。claim(主張)が言う「保護された側のほうが減少が小さい」は、ここで初めて数字として確認できます。
日本人がハマる理由
日本の学校で繰り返し解く「表から読み取れるものとして正しいものを選べ」という資料読み取りの設問では、表と矛盾しない記述がそのまま正解になります。その習慣のままだと、数値が合わない選択肢Cは正しく外せる一方、A も B も D も表と矛盾しないため、そこから先を絞る基準を持てずに手が止まります。SATのこの型が問うているのは記述が正しいかどうかではなく、claim(主張)が必要とする比較をその記述が行っているかどうかで、正しい記述が複数並んでいるのが通常の状態です。
- 02支える
「ある変化が一方のまとまりで他方より大きかった」という claim(主張)を裏付けられるのは、対比される両側について change(変化)の大きさを示した選択肢だけです。単一の値、水準の順位、片側だけの変化しか出てこない選択肢では、その対比は検証できません。
確認のしかた:選択肢を読む前に、各行で 2012年の値から 2022年の値を引いて下げ幅を行の横に書き出し、claim(主張)が対比している二つのまとまりに行を分けて、どちらのまとまりの下げ幅が大きいかを確かめてください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
A researcher notes that print-book readership fell in every age group between 2012 and 2022. The researcher concludes, however, that the decline was concentrated among middle-aged respondents rather than among the youngest and oldest groups.
Percentage of survey respondents who read at least one print book in the past year Age group 2012 2022 16–29 71 68 30–49 66 58 50–64 60 51 65 and older 57 55 A Respondents aged 16–29 had the highest readership of any group in both 2012 and 2022.
表の読み取りとしては正しく、16–29 は 2012年の 71%、2022年の 68% のどちらでも全年齢層で最も高い数値です。ただしこれは各年の level(水準)を述べているだけで、下げ幅には触れていません。claim(主張)が問うているのは「どの層の減少が大きかったか」であり、「どの層が最も読んでいたか」ではありません。
B(正解) Readership fell by 8 and 9 percentage points among respondents aged 30–49 and 50–64, respectively, but by only 3 and 2 points among those aged 16–29 and 65 and older.
下げ幅は 16–29 が 71→68 で 3 ポイント、30–49 が 66→58 で 8 ポイント、50–64 が 60→51 で 9 ポイント、65歳以上が 57→55 で 2 ポイントです。この選択肢は4つの層すべての下げ幅を出したうえで、中間の2層(8と9)と最年少・最高齢の2層(3と2)を並べています。claim(主張)が要求している比較を、この一文がそのまま実行しています。
C In 2022, 55% of respondents aged 65 and older reported reading at least one print book.
表の読み取りとしては正しく、65歳以上の 2022年の値は確かに 55% です。ただしセルを1つ挙げているだけで、2012年の 57% と並べていないため change(変化)が出てきません。変化が出なければ、層どうしの下げ幅を比べることもできず、claim(主張)が求めている対比には届きません。
D Readership among respondents aged 50–64 fell from 60% in 2012 to 51% in 2022.
表の読み取りとしては正しく、50–64 は 60% から 51% へ、9 percentage points(パーセントポイント)下がっています。ただし示されているのは中間層1つの下げ幅だけで、比較の相手になる 16–29 の 3 ポイントと 65歳以上の 2 ポイントが出てきません。「減少は中間層に集中している」という claim(主張)は、片側だけを見せても裏付けられません。
日本人がハマる理由
日本の入試で出る資料読み取りの問題は、誤答の選択肢が表の数値と食い違うように作られていることが多く、選択肢を1つずつ表と照合して「合っているもの」を残す解き方が身についています。ところがこの形式では A・C・D も表の読み取りとしては正しく、その手順では1つに絞れません。照合する相手は表ではなく、claim(主張)が要求している比較です。
- 03支える
ある量が「はじめは速く、途中からゆるやかに」変わったという claim(主張)は、量の大きさでも増減の向きでもなく rate of change(変化の割合)についての主張なので、裏づけになるのは、前半の span(区間)の変化量と、同じ長さの後半の区間の変化量を並べて示した選択肢だけです。期間全体をまとめた1つの数字、片方の区間だけの数字、向きが最後まで変わらなかったという事実は、表の読み取りとして正しくても、速さが変わったかどうかを確かめていません。
確認のしかた:選択肢を読む前に、表の行を真ん中の列で前半と後半に分け、それぞれ終わりの値から始まりの値を引いて、2つの差を並べて書き出してください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
An ecologist claims that the number of bird species at the wetland rose quickly in the early years after restoration and then leveled off.
Bird species recorded at a restored wetland Years after restoration 1 3 5 7 9 Number of species 14 27 41 44 45 A(正解) The number of species rose by 27 between year 1 and year 5 but by only 4 between year 5 and year 9.
41−14=27、45−41=4。1年目から5年目、5年目から9年目と幅はどちらも4年で、前半の増加量と後半の増加量を並べています。claim(主張)が言う「初めは急に増え、その後は横ばい」を確かめるにはこの2つを比べるしかなく、それを実際に行っているのはこの選択肢だけです。
B The wetland had 45 species in year 9, more than three times as many as in year 1.
9年目は45、1年目は14で、14の3倍は42ですから、「3倍を超える」は表の正しい読み取りです。ただしこの文は両端の2つの値を比べただけで、増え方の速さが途中で変わったかどうかには触れていません。14から45まで毎年同じペースで増えていたとしても、この文はそのまま成り立ちます。
C The number of species increased in every period shown in the table.
14→27→41→44→45 と、表のどの期間でも数は増えており、読み取りに誤りはありません。ただし述べているのは「増えた」という向きだけです。毎年同じペースで増えた場合にもこの文は成り立つので、急に増えた時期と横ばいの時期を区別する働きがありません。
D There were 44 species in year 7, only one fewer than in year 9.
7年目は44、9年目は45で差は1ですから、後半が横ばいであることを表から正しく読み取っています。ただし claim(主張)は「前半の急増」と「後半の横ばい」の2つでできていて、この文は後半しか扱っていません。前半の増加量 41−14=27 を並べない限り、比較は半分で止まります。
日本人がハマる理由
日本の入試の英語や国語は「本文(や図表)の内容と合う選択肢を選べ」という内容一致型が中心で、内容が正しいと確認できた時点でそれが正解になります。この問題は4つとも表の読み取りとしては正しいので、その習慣のまま解くと全部に○がついてしまい、最後は勘で選ぶことになります。とくにCは表のどの期間についても正しいため、内容一致の感覚では最も安全に見えますが、速さの変化を確かめていないので誤りです。正しいかどうかではなく、claim(主張)が求めている比較を行っているかどうかで選んでください。
- 04支える
2つの条件の間の差が時間とともに広がる(または縮まる)というclaim(主張)を裏付けられるのは、その差の大きさを異なる2つの時点で示した記述だけです。片方の条件だけを時間の流れで追う記述や、1つの時点で条件どうしを比べる記述では、差そのものの変化が測られていません。
確認のしかた:claim(主張)が対比している2つの条件(方向だけが示されている場合は両端の条件)を選び、最も早い時点と最も遅い時点のそれぞれで一方から他方を引いて、その2つの差を書き出してください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
A botanist studied how storage conditions affect the viability of seeds of a wildflower species. The results suggest that the advantage of colder storage grows the longer seeds are kept: __________
Germination rate (%) of stored wildflower seeds Storage temperature 6 months 12 months 24 months −18°C 94 93 91 4°C 92 85 70 20°C 80 52 18 A seeds stored at 4°C germinated at a rate of 92% after 6 months and 70% after 24 months.
表の読み取りとしては正しく、4°Cのgermination rate(発芽率)は6か月で92%、24か月で70%です。ただし追っているのは1つの温度の時間変化だけで、他の温度との差はどの時点でも出していません。claim(主張)が問うているのは温度どうしの差が時間とともにどう変わるかなので、その差が一度も出てこないこの記述では裏付けになりません。
B at every storage duration, seeds stored at −18°C had the highest germination rate.
これも表の通りで、6か月(94、92、80)、12か月(93、85、52)、24か月(91、70、18)のどの時点でも−18°Cが最も高い値です。ただし示しているのは各時点の順位だけで、差の大きさには触れていません。−18°Cが1位のまま変わらないという事実は、差が広がっていても一定のままでも同じように成り立つので、claim(主張)を検証したことになりません。
C(正解) after 6 months, seeds stored at −18°C germinated at a rate 14 percentage points higher than seeds stored at 20°C, but after 24 months the difference was 73 percentage points.
正解です。−18°Cと20°Cの差は、6か月時点では 94 − 80 = 14 percentage points(パーセントポイント)ですが、24か月時点では 91 − 18 = 73 percentage points まで広がります。同じ2つの条件の差を2つの時点で並べているので、保存期間が長くなるほど低温保存の有利さが大きくなることを数値で示せます。
D seeds stored at 20°C had a germination rate of 52% after 12 months, lower than at any other temperature at that duration.
これも正しい読み取りで、12か月時点の20°Cは52%で、同じ時点の−18°Cの93%、4°Cの85%より確かに低い値です。ただし比べているのは12か月という1つの時点の中だけで、2つ目の時点が出てきません。時間とともに差がどう変わったかは、1つの時点の比較からは示せません。
日本人がハマる理由
日本の国語や共通テスト型の読解では、「本文に確実に書いてあること」「言い過ぎていないこと」を基準に選択肢を残す訓練を受けます。その基準だとB(どの保存期間でも−18°Cが最も高い)が最も安全で反論しにくい記述に見え、引き算が必要なCは踏み込みすぎに感じられます。SATのこの型で問われるのは記述の安全さではなく、claim(主張)が要求している比較を実際に行っているかどうかだけです。
- 05崩す
2 つの variable(変数)の関係を weaken(弱める)データを選べと指示された場合、正解になり得るのは、2 つの事例を挙げ、両方の変数の値を示したうえで、一方の変数の大小関係が予測と逆になっていることを示す記述だけです。予測どおりのパターンを示す記述や、片方の変数しか報告していない記述は、表の読み取りとして正しくても、その関係を揺るがしません。
確認のしかた:選択肢を読む前に、主張が予測する向きを書き出し、表の行を 2 行ずつ突き合わせて、一方のデータ列の大小関係がもう一方のデータ列で逆転しているペアをすべて、4 つの数値とともに書き出し、そのうちのどれかを述べている選択肢だけを残してください。
問題と、選択肢ごとの解説(答えが出ます)
A student hypothesizes that in cities where a larger share of workers commute by public transit, average commute times are longer.
Commuting in four cities City Workers commuting by public transit (%) Average one-way commute (minutes) W 42 38 X 12 26 Y 35 29 Z 8 31 A City W has both the largest share of transit commuters and the longest average commute of the four cities.
W は公共交通で通勤する人の割合 42% が 4 都市中で最大、平均通勤時間 38 分も最長で、表の読み取りとしては正しい記述です。ただしこれは hypothesis(仮説)の予測どおりの組み合わせで、仮説を裏づける側の材料にしかなりません。設問が求めているのは仮説を weaken(弱める)データなので、向きが逆です。
B City X has a smaller share of transit commuters than City Y and a shorter average commute.
X の 12% は Y の 35% より小さく、平均通勤時間 26 分も Y の 29 分より短いので、これも表のとおりの正しい記述です。割合が小さい都市で通勤時間も短いという、hypothesis(仮説)の予測どおりの並びであり、仮説と食い違う点がありません。必要なのは予測が崩れているペアです。
C(正解) City Y has a much larger share of transit commuters than City Z (35% versus 8%) but a shorter average commute (29 versus 31 minutes).
正解です。Y は公共交通で通勤する人の割合が 35% で Z の 8% を大きく上回るのに、平均通勤時間は 29 分と Z の 31 分より短くなっています。hypothesis(仮説)が予測する向きと逆のペアで、counterexample(反例)になっています。表の中では、12% で 26 分の X と、8% で 31 分の Z も同じ逆転を示しますが、それを述べた選択肢はなく、逆転を示しているのは C だけです。
D City Z has the smallest share of transit commuters of the four cities.
Z の割合 8% が 4 都市中で最も小さいことは表のとおりで、読み取りに誤りはありません。ただしこの記述は平均通勤時間に一切触れておらず、2 つの variable(変数)を並べて比べていません。片方の列しか見ていない記述は、hypothesis(仮説)を裏づけることも weaken(弱める)こともできません。
日本人がハマる理由
日本の国語や英語の読解問題は「本文の内容と合うものを選べ」という内容一致形式が中心で、本文や前提と矛盾する選択肢はまず消す、という手つきが染みついています。この設問は hypothesis(仮説)と矛盾するデータ、つまり仮説を weaken(弱める)記述を選べと指示しているため、その反射がそのまま正解の C を消す方向に働き、仮説どおりに見える A を選びやすくなります。
すべて無料です。練習は3つまで登録なしで使え、そのあとは無料の登録(メールアドレスだけ)で続けられます。本番の形式は、hydeSolutionの無料模試で試せます。
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